小姐的不夜城故事 -5ページ目

解放軍お前もか!


山西省絳県という所に国営5409工場という国営の軍需工場が有ります。この軍需工場で今幹部の汚職が暴露されようとしています。軍需工場という特性上経営の内容等は秘密になっていますが、政府は開発費を含め、目に見える経費は青天井で出している様です。


この工場、察するに軍事用の車両を主に生産しているようで、この工場の下請けには中信機電製造有限公司という車のミッションや車軸、ブレーキを製造する工場があり、しかもこの中信機電製造有限公司はアメリカのキャタピラー社と合弁で100億円を投じてASIMCOという車両部品の会社を作り中国の車会社に部品を供給しています。と言うことは中国解放軍の戦車はキャタピラー社の技術が入っているということです。軍需産業に国境なし!実に平和的で協力関係が出来てるのね・・・。


問題はこの国営軍需工場の幹部が、開発資金の一部や、中信機電製造有限公司に水増し請求させて、そのお金を自らの懐へ入れているという事です。山西省は中国でも貧しい省の1つですが、工員や下級幹部の給料が、200元~400元の工場で、高級幹部は年間100万元ものお金を皆で分け分けしているらしく、地元政府も一丸となって汚職に励んでいるようです。


まあこの手の話は日本の自衛隊でも三菱さんや富士重工さんの事件で明るみになっていますが、中国の場合は実に分かりやすく、幹部が大豪邸を建てたり、小姐を囲ったりするので、狭い田舎町ではすぐに分かってしまいます。しかしそれを自分の権力でもみ消せると錯覚する所が中国のすごい所だと思います。


中国の解放軍は政府もなかなか口出し出来ない別格の存在なので、果たして地方政府と一丸となって行っている汚職を中央政府がどこまでメスを入れることが出来るか楽しみです。

医生的苦悩

中国で医者と教師の待遇は悪いと言われますが、医者の場合は特に人の命に関わる職業の割には、その社会的な地位が放置されているような気がします。医者の主な問題点としては


1 教育費が高い

医者になる為の勉強期間は大学での5年間の本科で年間最低8000元は必要だといわれています。5年ですと40000元。地方の給与水準からすると子息を医者にするには無理が有ります。

2 医者余り

中国でも医者は余り気味になっています。特に都市部の病院で働こうと思えばよほどのコネか賄賂を使わない限り(約10万元ほど)働く事が出来ません。

3 給料が安い

都市の病院でも5年の本科と1年のインターンで医師として働き出した初任給は1100元ほどです、それ以後も基本給与はそれほど上がらず、学費で親が投資した金額に比べて見返りは少ないと言えます。

4 身の危険

中国の経済格差は広がる一方ですが、医師という職業柄病人に対しての公平性が求められ、金銭の有無に関わらず人を助ける慈愛の精神が必要です。しかし貧しい病人は金銭の有無で差別しているかのように受け取る場合が多く、医師が病人家族から暴力を受けるケースも多々有ります。

5 政府支援が少ない

医療は公共サービスの中でも特に重要なものに関わらず、保険からのカバー率が悪く、医薬品や医療機器の価格に政府の統制が取れていないなど、政府からの支援が少なく、病院は自力更生を求められ、その結果医師が拝金主義に陥ります。

6 医薬品が高い

医薬品の高さは、その宣伝広告費や、病院幹部へのバックマージンに消えていきます。その結果医師は高い医療費で庶民に恨まれ、自分の給与へは反映されません。


医者は医者の苦しみがあるようです。中国では「もし金持ちに成りたいなら手術を受けろ。手術を受けたら、医者を訴えろ。」という話が有ります。病人、もしくは病人の家族が手術後の経過が悪く、後遺症や最悪亡くなった場合、病院と医者を訴えるケースが急増しています。


この責任はやはり政府に起因するものが大きいかと思います。急速に変化する中国社会ですが医師の待遇がここまで悪いと、安定した社会基盤は作れないかと思います。

白い砂の巨塔


中国での医療の問題は、もはや金の無い人間は死んでくれと言わんばかりの状態です。中央政府もかなり重視しているようですが、今日まで具体的な改革が進んでいないようです。やはり医療は公共のサービスの中でも最重要課題だと思うので、ここで国民を切り捨てる事は国の根幹に関わる問題だと思います。


特に問題なのは、医療サービスに対しての代価が余りにも不透明な点です。中国の病院の医療費は基本的に各病院の自主的な判断で決めているようです。中国では私立病院はかなり少なく、病院は基本的に公立なので、医療費や医師の給与等はそれほど差が無いはずなのですが、余りにも悪い待遇にやる気を失くしていて(医師は基本的に3Kの仕事なのでその上待遇が悪ければ誰もやりたくない職業です)、そのやる気を引き出す為に、医師が薬を処方すればその薬代の10%~20%を医師の収入にし、高価な設備(CT、MRなどの設備、ある人口30万中都市の病院で10台もCTがある都市があるらしいです)を導入し高額な費用を請求して病人の弱みに付け込み詐欺商法まがいの手口で医療費を吊り上げているとの事です。


国連衛生部の調査でも中国の医療サービスの公平性を調査した結果、中国の医療の公平性は加盟調査国中下から4番目という結果が出ています。日本の医療の実態も決して良いとは思わないのですが、日本では救急車を呼ぶときにまずお金が有るか無いか確認するような事は有りません。公共とは何か?中国はもう一度原点に戻って考える必要が有るのでは無いでしょうか。


お金が全ての社会に生きるというのは本当に辛い事です。我々日本人はなんだかんだ言っても公共のサービスを十分に受けている国民だと思います。私も病気になった時だけは中国で病院に行きたくないと思います。バカ高いし。

アラ 上海人

上海人は中国の中でも特に嫌われている人たちです。私も上海にいるので大きな声では言えませんが、夜の小姐はほぼ99.9%上海人の男を嫌っています。上海人と結婚するぐらいなら日本人と結婚したほうがましだとまで言い切ります。


上海人の小姐も人気が有りません。何か常に隠し事をしているような、何時までも他人行儀な感じを匂わせ、そのくせ詐欺師のような裏表を持っている感じがあり、遊びなれたおとーさんには不人気です。


何が悪いと言う訳ではないのですが、上海人はまず人を疑う事から物事を進めます。本当によくそこまで疑うねと言いたくなるほど人を信用していません。しかも親兄弟はまだしもちょっとした親戚ぐらいなら全く信用していないと言っても過言ではありません。


もし仕事などで上海人としか関係していない方は少し不幸かもしれません。中国人の包容力や寛大さを知らずに、中国人はなんて細かくて、ねちねちして、ずる賢いんだと思われている事でしょう。しかも江沢民以降上海閥が中央を仕切ってきたので、上海人の悪いところが政策に滲み出ているのかもしれません。


上海人の怖い話にこういうのが有ります。


ある時、汽車でアメリカ人と日本人と上海人と外地人が乗り合わせ

アメリカ人がパソコンを取り出してなにやら仕事をすると、その後窓を開けて

そのパソコンを外に放り投げます。

そして「アメリカではパソコンなんて使い捨てなんですよ」とうそぶきます。

次に日本人が携帯電話を取り出して電話をかけ、電話が終わると

その携帯を外に放り投げます。

そして「日本では携帯電話はただで配るものなんです」とうそぶきます。

最後に上海人が立ち上がって汽車の窓を大きく開け

おもむろに外地人を外に放り投げます。

そしてあっけに取られたアメリカ人と日本人に向かって言ったのは

「上海ではこんな人間が掃いて捨てるほどいるんです御気になさらず」


怖い話ですがなんとなく理解できるのがもっと怖い所です。


上海は不夜城の煌びやかさの裏に、人の優しさを奪ってしまう魔物が潜んでいるのかもしれません。

認めちゃったのね

広州市番禺区太石村で村の政府役人の公金横領疑惑に端を発した、8月16日に発生した農民と警察との衝突、8月31日の農民のハンガーストライキは、農民側の政府役人罷免要求を政府が認める形で決着しました。しかし認めたと言っても実際には政府が公金の出納帳を管理する形で農民に公開されず未だに農民と警官隊との睨み合いが続いています。


公安とのもみ合い

今回この村では、農村の共有財産である土地を企業などに売却し、村が利益を得たにも関わらず、その売却益がどこに行ったか分からない状況で、村の経理の状態を公開して欲しいと要求した農民に対して、政府が弓を引いた形になり混乱を招いています。


中国にも「中華人民共和国村民組織法」というのがあるらしく、その十六条に村民五分の一の有権者の要求があれば村民委員会の委員を罷免出来るとあるらしく、要求後過半数の支持があれば委員(すなわち共産党の役人)を罷免出来るそうです。


こうゆう形で政府が非を認め、政府側の自己浄化の形ではなく、一般の人々の要求によって役人が罷免に追い込まれるのは去年4月の湖北省枝江市宝月寺村以来2例目のようですが、最近は余りにも頻繁にこうした暴動まがいの事件が多発しているので政府も限定的なレアケースとしてニュースで取り上げている様な気もします。

役人を追い出し入り口を固めるおばーさん達、その後公安に捕まる

いずれにしても「中国の最大の敵は中国。」。この言葉は共産党政府にとってますます重く圧し掛かってくる事でしょう。この事件もまだまだ決着した訳ではありません。本当にお金の行き先を明らかにし、問題が有ればきちんと責任取らせないと収まりはつかないと思います。

今昔物語

時代が変わり、どんなに環境が変化しても変わらないものが有ります。日本は60年前終戦を向かえそれ以後死に物狂いで働き、今日先進国の仲間入りをするまでになりました。しかし今でもその60年前に中国と行った戦争行為を残虐なものとして、日中双方現代の若い世代に至るまで後ろめたさと恨みの気持を持ち続けるよう教育を続けてきました。その為現代に至るまで日中の間には深い溝が横たわっているかと思います。


それでは中国において全てが日本憎しなのでしょうか?

五四運動で日本商品を燃やしている


このように日本商品を排斥する行為は、第一次大戦後調子に乗った日本がタナボタで中国に拠点を持った為、学生の怒りが爆発して行われたものです。しかしこの当時の学生たちの気持ちは日本憎しも当然ありますが、それよりもっと時の中華民国政府に対し不甲斐ない事への怒りを、日本という欧米列強よりは物分りのよさそうな国へぶちまける事により、民衆の理解と支持を得ながら暗に反政府運動を繰り広げたのではないでしょうか。


その意味では、今年の反日運動もやはり政府への不満をぶちまける口実に反日の旗印を掲げたとしか思えません。日本は中国政府と国民にとって永遠にスケープゴートの対象なのでしょう。

日本製不買運動



その反面、経済的には改革開放後の中国は日本の資金、技術、人材をフル活用してきて、その御陰で日本の経済が空洞化するなどおかしな状態になってきました。しかしこれも日本は自らの選択でグローバルの道を選んだのですから、それを他国に責任転嫁するような事はありませんが、中国は平気で他国に責任転嫁してきます。


こう考えると日本って本当に損な役回りだなと考えてしまうのですが、今の日本人のおとーさんと中国人小姐が60年前の慰安婦問題も忘れ不夜城で戯れている現実を考えると、日中には本当に深い憎しみだけが残っているのか疑問に感じてきます。


そこでこの1942年広州での写真

60年前のとこや

「日本式とこや」「皇軍大歓迎」「親日女子理髪」しかも店の名前が「和共」です。ああやっぱりおじーさんはこうした所で息抜きをしていたんだ。しかも結構美人がいてそうだし。もしこれを慰安婦と呼ぶのなら、今の日本人は全て鬼畜な小日本で不夜城の小姐は全て慰安婦です。


時代は流れ情勢は変わって言い方や捉え方は変わってもこういうものの事実は一切変わっていない。それさえ頭に入れておけば日中関係も大丈夫だと思うのですがいかがでしょうか?


現在の床屋

民工‘王斌余’的悲哀


王斌余という民工が今年の5月11日に寧夏石嘴山市で4人を殺害、1人に重傷を負わせる事件が有り、6月29日中級法院にて死刑判決を受けました。その後多くの人がこの事件に関心を持ち、死刑判決について取り下げるように働きかけています。


事の発端はやはり給料の問題です。農民工はやはりかなりの劣悪な環境化で、重労働を強いられ、その上給料の不払いが頻繁に起こっています。殺された4人と重傷者1人はすべて、搾取する側の手先として農民工を虐めてきた人たちで、このニュースが広まると同時に王斌余に同情の声が上がりはじめました。


民工の給与についてですが、1億5千万人いると言われている民工の実に48%が給与の不払い問題に直面しているそうです。田舎の家族の為に死に物狂いで働き、少しでも現金を手に入れようと頑張る彼らに、搾取の手は緩むことがありません。


これは私見ですが彼らの怒りがこの国に改革を即す起爆剤になる事は間違いありません。身体を売る小姐たちは、搾取されながらもそれなりにお金を手にするので彼女たちの不満が国を動かす力までにはならないと思いますが、民工は本当に19世紀の奴隷のような待遇下で働き、搾取され続けています。


1人の反乱は即死刑ですが、これが千人、万人となれば、暴乱、革命になります。そうなれば今の腐敗幹部は怖くなって逃げ惑う事でしょう。しかし問題はここからです仮に暴乱や革命まがいの出来事が起きても、この巨大な国をまとめる事は不可能だからです。


現時点で発展途上のこの国をまとめる為にはやはり中央集権の巨大な組織でないとまとめる事は出来ないかと思います。しかし豊かになる前に暴乱や革命が起こってしまえば、緩やかな地方分権に移行しようと思っても障害が起きてしまいます。


今の中国はあとどれぐらい大多数の国民が我慢すれば幸せになれるのか本当に不透明です。そのビジョンをオリンピックや宇宙船に求めるだけでは民工は納得できないでしょう。


王斌余の出来事は注視する必要が有ります。政府の手で弱者を切り捨てる作業が公開上進められる訳ですから政府の腐敗分子は舐めてかかると必ずしっぺ返しがあること覚悟した方が良いかと思います。

ほどほどに

やられちゃった男がまた一人。某東芝エレベーターに勤める上海駐在研究員の独身牧野某氏。上海日本領事館近くの某栄というクラブの揚州美人某曹莉という小姐に騙され逆上して暴力事件を起こし、公安の取調べを受け公安から警告を受けたという事件が有りました。


当初の取調べでは、嫌がる某曹莉小姐に付きまとい結婚を迫った上、誘いを断ると逆上した牧野某氏が暴力を振るった事になっていましたが、その後の調べで、某曹莉小姐にはすでに田舎に旦那と双子の子供がおり、しかも牧野某氏とは事実上恋愛関係で、知り合った直後からパソコン、時計、指輪、日本語学校の学費など、かなりの額を短期間で貢いでいた事が発覚し、公安も適切な判断で牧野某氏に対して警告のみで済ませたようです。


しかしこれだけ今まで騙されたおとーさんたちがいるのに、まだまだこの手の話が出てきます。しかも男に結婚してくれとまで思わせぶりに付き合って、手玉に取って金品を毟り取るなんて小姐の鏡じゃないですか、某曹莉小姐ももう少し引っ張ってフェイドアウトしておけば、殴られずに済んだのに。某曹莉小姐は警告だけでは収まりがつかず弁護士をたてて慰謝料まで請求する勢いですが、どう考えても自分のミスですから、ベテラン小姐にそのあたりの結婚してくれ男の別れ方を教えてもらえばよかったのに。


最近はあまりクラブ活動していないので、こうゆう話も直接聞かなくなりましたが、新聞記事で牧野某氏や某曹莉小姐など男女の内輪もめの恥ずかしい話を公開される時代になってきたのだと一人感心しました。昔の騙されおとーさんの金額はこんな些細な金額では有りません。それこそ八つ裂きにしてやりたいと思ったおとーさんも数多いことでしょう。


もうそろそろ日式クラブもやばいんじゃないでしょうか。観光客、出張者あたりの為には良いんでしょうが駐在員は引っかからないようお願いします。彼女たちは商売なんですから一人で萌えないように、こんな話サラリーマンなら会社で大減点ですから。


百年大計


アジア開発銀行の報告では世界190カ国以上の国と地域ですでに170カ国以上の国が無償の義務教育を実現しているとのことです。アジアでもほとんどの国が、例えば1人あたりの国民総生産が中国の3分の1以下のラオスやカンボジア、バングラディシュでも無償での義務教育が実施されているとの事です。


2003年の国連人権委員会の報告では、中国が教育に投資する金額は国民総生産の2%しか占めておらず、その2%の内政府の支出は53%で、残りの47%は各家庭の個人負担になっているとあります。これはアフリカでも貧しいと言われる国々よりひどい数字で中国における教育制度への懸念を示しています。


また中国農村部においては3億人の子供達がまともな教育を受けていないとの報告があります。政府予算に占める教育費の割合は1%台でこれは調査した151カ国中149位で、中国全土の4分の1の県では初等教育が普及しておらず、農村部の中等教育進学率は10%しか有りません。都市部を含めた進学率も44%で、中国の子供達の56%は中等教育を受けていない状況です。さらに大学や専門学校の高等教育になると2%の人間しか進学していない状況です。


中国の危うさはまさにこの教育問題にあると言えます。教育、医療、福祉などは公共が行う最低限のサービスで、その部分では資本主義も共産主義もないはずで、政府、地域社会双方が最も重要視すべき部分であると思います。しかし今の中国の現状では、まともな教育は受けられず、医療にはお金が掛かりすぎ、福祉は切り捨てられつつあります。


今の中国はまさに欧米や日本などの列強が侵略していた時代とそれほどの違いはありません。当時も中国人のお金持ちは沢山いましたし、貧しい人はもっと多くいたと思うのですが、貧しい人間に教育を与えず労働を搾取するやり方はなんら変わりません。そして海外から投資をどんどん行っていますが、一部の中国人が潤い、外国人が搾取する構造は本当に清末と同じ構図です。


今国民が教育に目覚めれば、またしても革命が起こる可能性があることを政府も感じているのかこの構図を変える事にかなり消極的です。しかしいつかは変えていかないと爆発するのは目に見えています。

アメリカにて


長い旅が終わりました。今回アメリカフロリダ州に行っていましたが、フロリダもハリケーンの影響はかなりあるみたいで、倉庫の屋根が飛んで製品がダメになったとか、問題が出ていました。テレビも24時間ハリケーンのニュースばかりで、ホテルに戻るとずっとCNNを見て過ごしていました。実は9.11の時もニューヨークにいたのでアメリカに来ると惨事が起きるようであまりアメリカとは相性が良くないのかもしれません。

テレビを見ていて特にニューオーリンズの水害が多く映し出されていたのですが、本当に今度の災害は社会システムの問題だと感じました。多くの取り残された人たちはテレビの前で、自分がいかに貧しいか、いかに社会的に不平等を受けているかと語っていました。しかし見ていておかしいと思う部分も多々ありました。

アメリカはご存知の通り巨額の赤字を垂れ流す国で、その財源は海外からの巨額の国債投資で賄われています。しかし国民は消費にどんどんお金を費やすので、内需はお金が回る仕組みになっていますが、貯蓄はほとんど有りません。この状況で何か甚大な災害が起きれば貯蓄の無い庶民は本当に無一文で荒野に放り出される様なもので、一瞬で天国から地獄に突き落とされます。こうした天災に一番弱い国は実はアメリカで、お金の無い庶民が、お金の無い政府におんぶにだっこの構造が浮かび上がってきます。

こういう社会構造の根源はどこにあるのか?いろいろ考えてみると、給与制度の問題では無いかと思いました。アメリカの給与制度は原則週給です。毎週、もしくは隔週でお金が貰えるシステムです。金曜日にお金が入ると、土日で大量に買い物してローンを払って無くなるシステムです。このシステムはお金のコントロールはやり易いかと思いますが、有るお金はすべて使ってしまい易く、またすぐにお金が入ってくると思うので少ないお金を貯蓄に回す気にならなくなるのではないでしょうか。

例えば週給が月給に変わったとすれば、週給制度の時のようにお金をどんどん使えばお金が無くなってから次の給料日までの期間がどんどん長くなっていきます。そうすると人々はもっと計画してお金を使うようになるのではないでしょうか。アメリカで買い物をしている人たちの姿を見ていると大きなカートにどんどん商品を詰め込んで、値段と品質でものを選んでいる風ではないように感じます。それをカードで決済していきますから、本当にお金を使った感覚が無いんじゃないかと感じてしまいます。

庶民の生活が苦しく感じると消費は確実に冷え込みますが、苦しく感じるからこそ貯蓄への意識が高まり、不慮の出来事にも対応できる体質に変化していくのだと思います。ここは国民の意識を変えるためにも月給制度を導入したほうがいいと思いました。災害に遭われた方々は本当にお困りでしょうし心からお悔やみ申し上げますが、その映像から見るかぎり被災した半数以上の方々は肥満した体を揺すりながら歩いておられました。少なくとも彼らの貧困は飢餓ではないことは明らかです。そうであればなおさら今回の災害には社会的な構造の問題点が多いと言えるでしょう。