白い砂の巨塔 | 小姐的不夜城故事

白い砂の巨塔


中国での医療の問題は、もはや金の無い人間は死んでくれと言わんばかりの状態です。中央政府もかなり重視しているようですが、今日まで具体的な改革が進んでいないようです。やはり医療は公共のサービスの中でも最重要課題だと思うので、ここで国民を切り捨てる事は国の根幹に関わる問題だと思います。


特に問題なのは、医療サービスに対しての代価が余りにも不透明な点です。中国の病院の医療費は基本的に各病院の自主的な判断で決めているようです。中国では私立病院はかなり少なく、病院は基本的に公立なので、医療費や医師の給与等はそれほど差が無いはずなのですが、余りにも悪い待遇にやる気を失くしていて(医師は基本的に3Kの仕事なのでその上待遇が悪ければ誰もやりたくない職業です)、そのやる気を引き出す為に、医師が薬を処方すればその薬代の10%~20%を医師の収入にし、高価な設備(CT、MRなどの設備、ある人口30万中都市の病院で10台もCTがある都市があるらしいです)を導入し高額な費用を請求して病人の弱みに付け込み詐欺商法まがいの手口で医療費を吊り上げているとの事です。


国連衛生部の調査でも中国の医療サービスの公平性を調査した結果、中国の医療の公平性は加盟調査国中下から4番目という結果が出ています。日本の医療の実態も決して良いとは思わないのですが、日本では救急車を呼ぶときにまずお金が有るか無いか確認するような事は有りません。公共とは何か?中国はもう一度原点に戻って考える必要が有るのでは無いでしょうか。


お金が全ての社会に生きるというのは本当に辛い事です。我々日本人はなんだかんだ言っても公共のサービスを十分に受けている国民だと思います。私も病気になった時だけは中国で病院に行きたくないと思います。バカ高いし。