医生的苦悩 | 小姐的不夜城故事

医生的苦悩

中国で医者と教師の待遇は悪いと言われますが、医者の場合は特に人の命に関わる職業の割には、その社会的な地位が放置されているような気がします。医者の主な問題点としては


1 教育費が高い

医者になる為の勉強期間は大学での5年間の本科で年間最低8000元は必要だといわれています。5年ですと40000元。地方の給与水準からすると子息を医者にするには無理が有ります。

2 医者余り

中国でも医者は余り気味になっています。特に都市部の病院で働こうと思えばよほどのコネか賄賂を使わない限り(約10万元ほど)働く事が出来ません。

3 給料が安い

都市の病院でも5年の本科と1年のインターンで医師として働き出した初任給は1100元ほどです、それ以後も基本給与はそれほど上がらず、学費で親が投資した金額に比べて見返りは少ないと言えます。

4 身の危険

中国の経済格差は広がる一方ですが、医師という職業柄病人に対しての公平性が求められ、金銭の有無に関わらず人を助ける慈愛の精神が必要です。しかし貧しい病人は金銭の有無で差別しているかのように受け取る場合が多く、医師が病人家族から暴力を受けるケースも多々有ります。

5 政府支援が少ない

医療は公共サービスの中でも特に重要なものに関わらず、保険からのカバー率が悪く、医薬品や医療機器の価格に政府の統制が取れていないなど、政府からの支援が少なく、病院は自力更生を求められ、その結果医師が拝金主義に陥ります。

6 医薬品が高い

医薬品の高さは、その宣伝広告費や、病院幹部へのバックマージンに消えていきます。その結果医師は高い医療費で庶民に恨まれ、自分の給与へは反映されません。


医者は医者の苦しみがあるようです。中国では「もし金持ちに成りたいなら手術を受けろ。手術を受けたら、医者を訴えろ。」という話が有ります。病人、もしくは病人の家族が手術後の経過が悪く、後遺症や最悪亡くなった場合、病院と医者を訴えるケースが急増しています。


この責任はやはり政府に起因するものが大きいかと思います。急速に変化する中国社会ですが医師の待遇がここまで悪いと、安定した社会基盤は作れないかと思います。