アメリカにて | 小姐的不夜城故事

アメリカにて


長い旅が終わりました。今回アメリカフロリダ州に行っていましたが、フロリダもハリケーンの影響はかなりあるみたいで、倉庫の屋根が飛んで製品がダメになったとか、問題が出ていました。テレビも24時間ハリケーンのニュースばかりで、ホテルに戻るとずっとCNNを見て過ごしていました。実は9.11の時もニューヨークにいたのでアメリカに来ると惨事が起きるようであまりアメリカとは相性が良くないのかもしれません。

テレビを見ていて特にニューオーリンズの水害が多く映し出されていたのですが、本当に今度の災害は社会システムの問題だと感じました。多くの取り残された人たちはテレビの前で、自分がいかに貧しいか、いかに社会的に不平等を受けているかと語っていました。しかし見ていておかしいと思う部分も多々ありました。

アメリカはご存知の通り巨額の赤字を垂れ流す国で、その財源は海外からの巨額の国債投資で賄われています。しかし国民は消費にどんどんお金を費やすので、内需はお金が回る仕組みになっていますが、貯蓄はほとんど有りません。この状況で何か甚大な災害が起きれば貯蓄の無い庶民は本当に無一文で荒野に放り出される様なもので、一瞬で天国から地獄に突き落とされます。こうした天災に一番弱い国は実はアメリカで、お金の無い庶民が、お金の無い政府におんぶにだっこの構造が浮かび上がってきます。

こういう社会構造の根源はどこにあるのか?いろいろ考えてみると、給与制度の問題では無いかと思いました。アメリカの給与制度は原則週給です。毎週、もしくは隔週でお金が貰えるシステムです。金曜日にお金が入ると、土日で大量に買い物してローンを払って無くなるシステムです。このシステムはお金のコントロールはやり易いかと思いますが、有るお金はすべて使ってしまい易く、またすぐにお金が入ってくると思うので少ないお金を貯蓄に回す気にならなくなるのではないでしょうか。

例えば週給が月給に変わったとすれば、週給制度の時のようにお金をどんどん使えばお金が無くなってから次の給料日までの期間がどんどん長くなっていきます。そうすると人々はもっと計画してお金を使うようになるのではないでしょうか。アメリカで買い物をしている人たちの姿を見ていると大きなカートにどんどん商品を詰め込んで、値段と品質でものを選んでいる風ではないように感じます。それをカードで決済していきますから、本当にお金を使った感覚が無いんじゃないかと感じてしまいます。

庶民の生活が苦しく感じると消費は確実に冷え込みますが、苦しく感じるからこそ貯蓄への意識が高まり、不慮の出来事にも対応できる体質に変化していくのだと思います。ここは国民の意識を変えるためにも月給制度を導入したほうがいいと思いました。災害に遭われた方々は本当にお困りでしょうし心からお悔やみ申し上げますが、その映像から見るかぎり被災した半数以上の方々は肥満した体を揺すりながら歩いておられました。少なくとも彼らの貧困は飢餓ではないことは明らかです。そうであればなおさら今回の災害には社会的な構造の問題点が多いと言えるでしょう。