小姐的不夜城故事 -3ページ目

夫婦でAV


2002年8月18日深夜、陝西省延安市宝塔区の公安に一般市民からのタレコミで、ある新婚夫婦が自宅でアダルトDVDを見ていると通報があり、新婚宅に押し入り、AVDVDとデッキ、テレビまでもが差し押さえられ、更に公務執行妨害で逮捕された夫は公安に引っ張られ、更に1000元の保釈金まで払わされる事件が発生しました。


その夫の保釈後、新聞などのメディアでこの事件が話題になり、床屋やサウナでの売春が一般的に暗黙の了解となりつつ有る中、果たして家庭内にて夫婦でAVを観る事が、公安に逮捕されるほどの罪になるのか?という事で法曹関係者や有識者の間で論争になりました。


そしてこの件も忘れかけていた10月21日にまたしても突然公安がやってきて、この夫を再び‘公務執行妨害’の取調べの為に逮捕し、12月初めまで拘留されてしまうのです。そして最終的には公安の方が起訴を取り下げるのですが、これを不服としたこの夫婦は弁護士にこの件についての冤罪の責任を追及する事となり、最終的には延安市宝塔区公安局紀検委書記の公式謝罪と公安から29137元の損害賠償金を受け取る事になりました。


私の友人の話では1980年代の中ごろ、上海で日本製のビデオデッキが香港経由で一般家庭に普及しだし、それに伴いAVも入ってきて、そのころよくタレコミから公安の手入れがあって、手入れを受けた場合は、ビデオデッキの没収(当時年収の2倍ぐらいした)と、数日間の拘束があったそうです。それより以前文革前では、上海の一部のお金持ちが闇でエロ本を売っていて、所持がばれると最悪死刑になったということです。


それが今では、AVの何が悪いのだという世論に負け、しかも警察が冤罪を認めて賠償金まで支払うのですから、世の中も変われば変わるものです。中国は1995年1月1日より《中華人民共和国国家賠償法》が施行され(これ以前は冤罪も糞もなかった)、2004年までに件数で3167件、金額で5819万元の賠償金が支払われています。この法律が施行されてから、あらゆる面で公安の紀律が緩んだのは否めないかと思います。そして今まであまり力の無かった弁護士が急速に発言力を増してきたのにも一致するかと思います。


こうしてやっと普通の社会に戻りつつある中国ですが、賠償を恐れ、99.9%疑わしくても動かない公安では違った意味で恐ろしい社会になっていくような気がします。

深セン私刑事件

虐待された羅水秀さん       東方紅百貨商場の加害者たち


今年の8月13日午後7時ごろ深セン松崗街道沙埔囲社区に有る東方紅百貨商場にて1人の妊婦羅水秀さん21歳がシャンプーを万引きしたとの疑いをかけられ、事務所に連れ込まれ、この店の社長以下、警備員4人に殴る蹴るの他、タバコの火を押し付ける、ライターで火傷を負わす、指の爪の間に針を突き刺す、その上塩水を傷口に掛ける等の私刑で悶絶させられ、失禁するまで虐待し、5ヶ月になる胎児が死にいたるまで続いたという事件です。


関係者によるとこの東方紅百貨商場は度重なる万引きに悩んでいて、たまたまシャンプーの万引きの疑いをかけられた羅水秀さんが万引き団の一味と思われ今回の事件に発展したとの事です。加害者は更に、ボロボロになった彼女を車に乗せ、彼女の夫が働く工事現場まで行き、彼女を帰して欲しければ店まで3000元持ってこいと捨て台詞を吐いて戻って行ったそうで、これに驚いた夫はすぐに公安に通報し、8時間後にようやく店の屋上の貯水タンク中にロープで縛られた彼女を発見、保護されました。


当然社長以下4人の警備員は逮捕されましたが、逮捕後もこの社長の奥さんは、「万引きを捕まえて公安に引き渡してもすぐに出てきてまた万引きを繰り返す。こんな事じゃ我々商店は商売が成り立たないよ。だから自分たちで盗まれた物を取り返し、今後の万引き防止の為に彼女を尋問ただけだよ、大体中国の伝統で泥棒は叩かれるのは当たり前だろ、彼女が妊娠してたとは誰も知らなかったのさ、妊婦のくせに万引きするなんて自分が悪いのさ」とインタビューで答えています。自衛が必要なほど役に立たない公安、過度の自衛で人を簡単に死に追いやる社会、どちらにしてもねじれた社会構造になっています。


現在この事件公判中で、被害を受けた羅水秀さん側は81万元の被害要求を加害者側に請求しています。羅水秀さんが受けた損害からすると安いぐらいだと思うのですが、今後この事件をきっかけに万引き団が大手を振って万引きに勤しむ事も予想されます。そして公安の対応が悪ければ悪いほど、まともに商売をしている人たちが苦しむ社会になってしまうのです。

強姦魔梁宏賢

事件の舞台になった小学校          強姦教師梁宏賢


今年3月18日広西チワン自治区の南寧市興寧区三塘鎮の那垌小学校で梁宏賢という先生が6歳から7歳の生徒14人に対し強姦していたという事件が発覚し逮捕されました。この先生2003年の3月から2005年の1月までに14人の生徒に約150回猥褻な行為を繰り返し、その生徒たちには「もしこの事がお母さんに分かったら、先生はこの学校にいる事が出来ないから、君たちは学校で勉強する事が出来なくなくなるよ」という脅し文句で2年近くも幼い少女を騙し続けてきました。


この先生見た目は至極真面目そうな男で、とてもこんなひどい事を仕出かすようには見えないのですが、かえってそこに皆が騙されたのかもしれません。本人はひどく後悔しているという事ですが、もともと恋人にふられた事が引き金で次々と強姦を繰り返していたとの事です。


最近は中国でも弱者に対しての犯罪が目立ちます。何も分からない子供たちや、青少年が犯罪に巻き込まれるケースが後を絶ちません。そして今回の事件で話題になったのは子供たちへの金銭的保証に対しての弁護団の請求額です。弁護団は民事による精神的被害の請求は難しいとの判断で、児童1人に対して20万元の「処女喪失による身体損傷保証費」という名目で梁宏賢に対して請求しています。


これは児童の弁護団が強姦による精神的ダメージの保証を今の法律では認められないとの判断で、処女膜に損傷を受けたという傷害罪に焦点を絞って争い、その結果「処女の価値は20万元」という部分だけがクローズアップされ大きく取り上げられました。


中国の法律では《刑事事件に付帯する民事訴訟の範囲に関する規定》の中での規定で、被害者に対する、犯罪による精神的損失を民事控訴しても人民法院はこれを受け付けない。という規定があり仕方なくこういう形で控訴するに至りました。この法律もどうかなと思うのですが、中国では精神的に追い詰められて自殺したとか、精神異常に追い込んだということでは罪に問えない仕組みになっているようです。


これから大国として先進国に肩を並べる気が有るのであれば、もう少し実勢に即した法律運用をしていくことが必要かと思います。

母と恋人

10月27日の早朝、福建省南平浦城県の公安局に1人の14歳になる少女が保護されました。この少女は浙江省景寧県出身で、母親の恋人に無理やり婚約させられ、共同で生活を送り、41歳の母親と29歳になる母の愛人兼自分の婚約者との乱れた関係に嫌気がさし、自ら公安に保護を求めたとの事でした。

もともとこの少女の父親がやはり酒乱で、家で母親と自分に対して殴る蹴るの暴行を加え続け、今年の7月26日に家で大暴れをした両親が包丁を持ち出しての傷害騒ぎになり、恐ろしくなった母親とこの少女は、着の身着のまま逃げ出してしまいそのままお寺の境内で1夜を過ごした後、母親は以前福建省南平浦城県へ出稼ぎに出ていた時仲良くなり不倫関係に陥った、薬屋の男を思い出して電話を入れ、「14歳の娘をあなたの恋人に差し出し、セックスもさせてやるから暫く身を預けさせてくれ」と連絡したそうです。


  

保護される少女            酒乱のおやじに引き取られるが‥‥‥

もともとこの薬屋の男は、この母親が結婚していてしかも娘までいるとは全く知らず、半年後に発覚した時点で男の方から離れていったのですが、今回見るに見かねて南平浦城県に呼び寄せおかしな共同生活が始まりました。3人はすぐに月50元で部屋を借り、1つのベッドで寝ていたとの事で少女は母親が隣で薬屋の男と始めたかと思うと、今度は自分の方へやってくる(少女と事を終えた後この男は10元から20元を渡していたそうです)、そんな異常な状況下で3ヶ月以上暮らしていたのです。この男にとっては性の処理をしてくる売春親子ぐらいの気持ちで接していたのかもしれません。


しかしこの母親は追い込まれたとはいえ、トンデモナイ発想で難局を打破しようと考えたものです。2年前に不倫をしていた時点で、12歳年下の男が夢中になるぐらいなので、そこそこの美人では無いかと思うのですが、今回のケース父親も父親ですが、この母親はもとの不倫相手に娘を売るという暴挙に出た訳で、母親思いで付いて来たこの少女は浮かばれません。


こうして母親と薬屋の男は少女に対しての強姦の罪で拘留されたのですが、果たして酒乱の父親に引き取られたこの少女、今後も幸せになれるのでしょうか?

可怜的小女孩

吉林省長春市浄月潭旅遊開発区の小さな村で、12歳の少女が40歳の体育教師に強姦されるという事件が発覚しました。しかし更に調べを進めるうちに、実はこの少女が実の父親に5歳の時から7年間に渡って性的な暴行を受けていた事が分かり、現在では、体育教師、父親ともに逮捕され刑務に服しているとの事です。


この少女の両親、いつも喧嘩ばかりしていて、母親が5歳の時に精神不安定の状態に陥り、精神病院に入院するようになり、その母親の入院中に5歳の自分の娘を強姦してしまうという恐ろしい鬼畜おやじです。その後も母親は育児放棄で家出を繰り返し、この少女は7年間もの間父親に蹂躙され続け、挙句に学校の教師までに犯されてしまうのです。


この父親は今年45歳の瓦職人で、いつも酒びたりの生活を送っていたようで、母親を殴る蹴るの暴行を繰り返していたようで、母親も精神的に参ってしまい、PTSDに陥ってしまったようです。事件発覚後、公安で「後悔しているか?」と聞かれたこのおやじは、「後悔という言葉の意味は分からない、今は公安で何も楽しみが無いが、娘を暴行するのは楽しかった」とうそぶいたそうです。


一方体育教師の方は、数年前に離婚し、離婚後ある結婚している女性と仲良くなったのですが、それがとんだ美人局で、結局その人妻の旦那に1万元を騙し取られ、その後、卒業生の女子を街で見かけては巧みに誘い込み、強姦を繰り返していたそうです。


実際これとよく似た話は夜の小姐たちから多く聞かされました。ある床屋の小姐は10歳から床屋の下働きに出され、その後13歳で売春を始めたとか、両親が離婚して、母親が再婚したが、その再婚したおやじに中学の時に犯されたとか、身近で聞いていて、こうゆう職業に就く子達は何らかの精神的障害を受けているのだなと感じていました。


さてこの少女、結局両親に見放され、精神的傷を負わされ、社会や周りの人間に対してやり切れない気持ちでいっぱいだと思うのですが、なんとか今後の人生を明るく乗り切って欲しいと思います。今まで私が出会った不幸系の小姐も実に明るく前向きに生きている子を多く見てきました。人に傷つけられた傷は、人が癒してくれるものです。人生希望を捨てず、癒してくれる人との出会いを大切にして欲しいと切望します。

彼女の直筆、これからの希望を聞かれて

「私は女の子、私は綺麗な女の子」

と書いた

薄幸の小姐

ある陝西省の宝鶏市という所の農村から甘粛省蘭州に出稼ぎに出てきた夫婦が、お金に行き詰り、今年の4月初めから奥さんが床屋に勤めに出たのですが、働き始めてすぐに警察に捕まり女子教育所の塀の中に4ヶ月間入れられ、出てきてすぐに、またお金が無いと、床屋で働き始め、それから2週ほどで客の男に絞殺されるという事件が有りました。

事件の起きた蘭州の床屋             一回仕事を終えるごとに旦那に手紙を書いていた

この事件は当初、この奥さんが塀の中で4ヶ月間毎日綴っていた、旦那への日記で有名になり、旦那への熱烈な愛情と、貧しさ故に身体を売ろうとした自分自身の罪悪感との葛藤を書いた文章が人々の心を打ち、一人の売春婦になろうとした女が、どのような心境で現実と向き合い、教育所で過ごしてきたのかを知る事で“売春に対しての人々の考え方をもう一度世間に問い直す”形になりました。

日記にはあなたを愛しているとびっしり     本当に心から愛していたのだろう

殺人を犯した方の男も、リヤカーで物を運搬する仕事に就いていたのですが、貧しさゆえに恋人もできず、以前たまたま行った床屋で200元を騙し取られ、更に暴行を受けるという事があり、床屋で働く女なら誰でもいいから“殺してやりたかった”という、こちらも歪んだ心が爆発してしまった、とても悲しい話だと思います。


この奥さん実際には3週間ほどしか床屋で働いていないのですが、4ヶ月間も塀の中に閉じ込められ、出てきてもすぐに殺されてしまうという幸薄い小姐なのです。ここで社会が問題視したのは、増え続ける売春に対して、身体を売る以外に道が無いと感じている貧困層(しかしここで言う貧困はご飯も食べる事が出来ないという貧困では無く、ご飯は食べる事が出来るが、富裕層に比べ貧しいと感じている人々を指す。農村部でも貧富の差は広がり始め、一昨年は貧困層と富裕層は3.7倍ほどの所得格差だったのが、現在では5倍以上に広がっているとの指摘が有る)が確実に増加している事と、こんなに普通に旦那を愛して止まない奥さんが、それでも身体を売るのかという驚きでした。しかも教育所に4ヶ月も入って出てきたにも関わらず、旦那への愛をあれほど語っていたにも関わらず、また床屋に舞い戻って行きずりの男に抱かれている事にも、やはりお金がものを言う社会なのだと改めて思い知らされました。


我々男側は買春する方ですが、どうしてするのか(結婚して子供もいるのに)と言われてもなかなか答えが出せないので、売春する女側にどうしてするのかと言うこと事態陳腐な話なのですが、それでもここまで熱烈に人を愛する事が出来て、どうして売春に走ってしまうのか?女性の心理を一度聞いてみたいと思います。

三陪女の陳述

巷で話題の三陪女(歌、酒、ベッドまで付き合う(陪伴的)女性の事、つまり売春婦。ちなみに私は昔、客の接待で毎晩クラブ活動していたので、三陪先生と三陪女から言われていた。)が詐欺罪で捕まり、裁判で最終陳述を述べるお話を紹介します。


ある三陪女の陳述


「この法廷で最後の陳述の機会を与えていただいた事を感謝いたします。売春婦としてこの厳粛な場にいる事を心から恥じております。私は5年の長きに渡り売春行為を行い、またこの市の党書記‘韋君梓’の愛人を2年間していました。しかしそれも売春婦になる事も決して心から望んでなった訳ではありません。私が歩んだこの家族と自分自身に恥ずべき行為は、どうしようもない生活苦から迫られた道なのです。


私には上は80歳の祖母から、下は就学もしていない弟までおり、二人の面倒を見なければなりません。しかし私と両親が1年間一生懸命田畑を耕しても、税金をまともに納めるだけの収穫も有りません。もし税金が納められなければ、村の幹部が家畜用の餌まで持っていってしまうのです。その後私は街に出て子守の仕事に就きました、しかしその家の主人に強姦される悲劇に合いました。そして誰かが救ってくれる訳でもなく、その後私は壊れ始めました。皆さんにお聞きしますが、一人の農村から来た少女が、自分自身の若さを売る以外、何を売って生きていけば良いと言うのでしょうか?


‘韋君梓’は三日風邪をひくだけで、50万元のお見舞金が入ってきます。一人の県の役職を斡旋しただけで500万元の斡旋料が入ってきます。もし私がこの千分の一のお金を手に入れていたら、決して売春の道に進む事は無かったでしょう。


皆さんは売春婦に対して、役人を腐らせ、性病を伝播し、社会の風紀を乱すと仰いますが、それは私自身認めています。しかしこの世界で、買春が無ければどこに売春が有ると言うのでしょう!買春する男がいなければ、売春する女は存在しません!売春市場の拡大は我々売春婦が興したものでは有りません。それは両手に権力とポケットにお金を詰め込んだ方々が興したものなのです。もし社会に危害が有ると言うなら、買春が社会に与える危害の方がもっと深刻です。我々は自分自身の肉体を売っているのです、そしてこの肉体はとても貴重なものでありますが、自分自身のものでもあります。しかし彼ら買春をする側のお金はいったいどこから来たと言うのでしょうか?


今私は検察官から詐欺罪で訴えられています。それは認めます。私は本当に嘘をついています。私は小学校すら卒業していないのに、今では大学の卒業証書を持っています。しかし今の社会で偽の証書を持つ人間など五万といます。‘韋君梓’ですら中学すら行っていないのに、大学院を出た事になっています。


私はかつて入党届けなど出した事も有りません。しかし今では党暦5年の立派な党員です。私の党員も偽者なのです。しかし彼らは昼間は正義を語り、夜は腐敗を繰り返す官僚たちに、本当に党員の価値が有ると言うのでしょうか?


少し前の私は軽蔑される‘売春婦’では有りませんでした。一年前に‘韋君梓’から局長の椅子を与えられました。しかし他の‘韋君梓’から局長の椅子を与えられた人たちは、全て国のお金を誤魔化し‘韋君梓’に付け届けしていますが、私は自分の肉体を捧げて与えられたのです。


皆さんは私を恥知らずだと罵る事でしょう。私自身も恥知らずだと認めます。しかし私が思うにもっと恥知らずなのは‘韋君梓’のような汚職官僚たちです。彼らは口々に人民の為にと言いますが、腹の中では日々悪事を考えているのです。‘韋君梓’は昼間聖人君子のように振舞いますが、夜になると私のところにやって来て、野獣のように私を蹂躙していくのです。このような二面性を持った偽君子を私は多数見てきました。今日ここにおられる方々の中にも以前は私のお客だった方がおられますが、今は私を裁く側にまわっています・・・・。」


裁判長   


「警官同志すぐに被告を退廷させよ!」


このように落ちまで付いている100%虚構のお話なのですが、まさに小姐的不夜城故事で書いてきた事が凝縮された内容です。そして中国人の庶民のほとんどが頷ける内容です。

05-9重案組

今庶民の口コミの話題は42名の銀行支店長、副支店長が(中国工商銀行の福建省支店、広東省支店、江西省支店、浙江省支店、上海市支店。中国銀行の江蘇省支店、広東省支店、山東省支店、天津市支店。中国建設銀行の湖南省支店、湖北省支店、山西省支店、河南省支店。中国農業銀行の湖南省支店、湖北省支店、河南省支店、陜西省支店、山東省支店、天津市支店。以上4大国営銀行19支店の支店長と副支店長。)多額の金を横領して、そのまま集団で海外逃亡したという事件です。


話をまとめて見ると9月の末、国慶節前に各銀行の支店長が香港にそれぞれ視察や会議の名目で集まり、そのまま休暇届を出して消えてしまい、今は先に逃がした家族のいるアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどの各国にいるという話です。彼らは明らかに犯罪者ですし、中国が逃亡した各国に犯罪捜査を依頼すればすぐに捕まるような、話だけ聞いているとほとんど有り得ない話なのですが。


この事件の出所は香港の争鳴という雑誌、中国にはネットなどで噂話として流れたのですが、現在事の大きさを認識した中国政府は特別捜査班(05-9重案組、2005年9月に起きた事件でこう名づけられた)を組織して対応しているなど、かなりまことしやかに書かれているのですが、真実は全くわからない状況で、政府はとりあえず噂をもみ消す為に、ネットの記事の削除に必死になっています。


しかしこれが一部でも本当だとすると異常な事態だと思います。中国の大都市の支店長が連携を取り合って22.3億元(320億円)もの金を持って海外に逃亡したというのは、今の共産党独裁体制が明らかに壊れてきているとしか考えられないかと思います。もし事実だとすればどうして彼らが集団で逃げ出したのか、少なくとも彼らは共産党の中でも、中国社会の中でもスーパーエリートの部類に入る人たちで、もし捕まれば死刑も免れないリスクを犯してまで、海外に逃げ出さなければならなかったのか???だらけの事件なのです。


現にこうした省級の大物以外で、県級の銀行支店長は山ほど捕まっています。また海外に逃亡もしています。ですからこういう類の噂はかなり真実味を持って伝えられるのかもしれません。また中国の銀行の省級幹部などは、支店長兼党書記、更に国営会社の監査役、貿易促進委員会など党関連委員会の常任委員など、かなりの仕事を兼務しています。それだけ忙しく色々仕事をしていても、実際の給料はスズメの涙、汚職に手を染めもし誰かに刺されたら、今までの人生は全てパーです。ですからかなりの誘惑に駆られる事は容易に理解できます。そして中国政府がこれらの話を秘密裏に処分するとすれば、明らかにもっと雲の上の人物による汚職が絡んでいるのだと思います。


今の中国の銀行制度では明らかに中国は経済破綻するでしょう。お金の流れがあまりにも不透明で、しかもトップがいろいろ不正を働きやすいシステムが続く限り、こうした噂が次々と発覚することは避けられないのかもしれません。この雑誌の内容では全国の省級銀行72行が2004年度の会計監査をごまかしもしくは提出していないと指摘しています。


銀行がおかしくなっているのに、経済が上手く回るとは絶対に思えません。国民には幻想を見せ、世界には虚勢を張り、この国の経済は熱病に侵されて幻覚を見ているとしか思えない状況です。

資本論

国慶節からしばらく日本でばたばたしている間、日本のニュースでは村上ファンドの阪神電鉄株の買占めや、楽天によるTBS株の買占めの話で庶民感覚からは何桁も違うようなお金の話がトップの話題に上っています。週刊誌なども株の好調を背景に、しがないサラリーマンになけなしのお小遣いを投資に誘う煽りを入れ、バブル崩壊を鮮明に覚えている世代のおとーさんでさえ夢よ再び状態になってきている様です。


今の状態がやっぱり危険だなと思ってしまうのは、やはり若い世代への影響ではないでしょうか。むかしむかし我々が学生の頃、ちょうどバブルだったのですが、それを肌身で感じる事はやはり今より少なかったのかなと思います。唯一感じたのは海外へ出て円高のうまみを味わえた事。しかし今の株ブームは小学生でも参加できるほど簡単になっているので、ここで楽して金が入ってきた若者は一生働く気がしないでしょうね、多分援交で安易に金を稼いだ中高生が、結婚しても出会い系で売春を持ちかける感覚に近いかと思います。


日本は本当にもともと資本も資源も何にも無い国だという事を再認識しないで、何でも有る国だと勘違いする若者が増えれば、それはかなり悲劇的な結末が待っている様な気がします。現時点で人も金も物も余っていると思っている今の日本では、人の気分を良くさせるサービスを充実させる事によってのみ、生き伸びる事が出来ると皆が思っていて、その為には人を押しのけても、過剰だと思われても、必要以上に媚を売る社会になっているのかもしれません。


以前の感覚では資本家(資産家)はお金を持っている事を隠して生きてきた感が有ります。あの人はお金持ちだなという認識はあっても、細かいお金の流れは庶民にはシークレットにしてきた奥ゆかしさが有ったかと思います。しかし今、日本の社会は誰もが他人のお金に注目し、自分とは本来関係の無さそうな資本の流れに一喜一憂しているようで、少し客観的に見ると滑稽な感じもします。


とは言っても、現実はやはりその流れに対応しないと生き残れない恐怖感と戦っているのが本音で、現実と理想とのバランスはやはり現実に傾くのが思考を超えた本能で動く人間の性なのかもしれません。

無法地帯

広東省東莞市は犯罪の温床になっています。ここは多くの出稼ぎ労働者を集積してきた所ですが、多くが外資系や台湾、香港の会社の為、資本家と労働者の区別が色濃く反映される街で、若くして(下は14,5歳から)この街に出てきた労働者は社会矛盾を目の当たりに見せられ、社会規則からどんどん外れていく方向にあり、取り締まる側の警察官も、あまりの犯罪の多さに匙を投げ、ひどい警官に至っては黒社会の親分を兼ねている場合もあり、麻薬、売春、賭博を中心に荒稼ぎをする奴も多いと言われています。


この街が特殊な街だと言える内はよいのですが、上海でも警官の対応は著しく悪くなってきているように感じます。上海市内の内環状線以内の地域は110番に電話して3分以内に警官が駆けつけるという原則があるらしいですが、肝心の110番が最近かかりにくいとの事、物取りなどに出会っても110番が話中ばかりではどうしようも有りません。出来れば特にご飯時、お昼や、夕方は犯罪に合わない様注意したいものです。警官もご飯時には食事を優先しますから。


本当に中国全土が東莞化されてきている様な気がします。警官の士気の低さは全国共通の危険な動向ではないでしょうか。皆さんも自分の命と財産は自分で守るよう、タクシーに乗れば必ず自分でドアロックを掛ける、人が多いところでは財布を出さない等気を付けてお過ごしください。


バスを待つ小妹                   後の男が襲い掛かる


そのまま道に押し倒し               もう一人の男が金を奪う