深セン私刑事件 | 小姐的不夜城故事

深セン私刑事件

虐待された羅水秀さん       東方紅百貨商場の加害者たち


今年の8月13日午後7時ごろ深セン松崗街道沙埔囲社区に有る東方紅百貨商場にて1人の妊婦羅水秀さん21歳がシャンプーを万引きしたとの疑いをかけられ、事務所に連れ込まれ、この店の社長以下、警備員4人に殴る蹴るの他、タバコの火を押し付ける、ライターで火傷を負わす、指の爪の間に針を突き刺す、その上塩水を傷口に掛ける等の私刑で悶絶させられ、失禁するまで虐待し、5ヶ月になる胎児が死にいたるまで続いたという事件です。


関係者によるとこの東方紅百貨商場は度重なる万引きに悩んでいて、たまたまシャンプーの万引きの疑いをかけられた羅水秀さんが万引き団の一味と思われ今回の事件に発展したとの事です。加害者は更に、ボロボロになった彼女を車に乗せ、彼女の夫が働く工事現場まで行き、彼女を帰して欲しければ店まで3000元持ってこいと捨て台詞を吐いて戻って行ったそうで、これに驚いた夫はすぐに公安に通報し、8時間後にようやく店の屋上の貯水タンク中にロープで縛られた彼女を発見、保護されました。


当然社長以下4人の警備員は逮捕されましたが、逮捕後もこの社長の奥さんは、「万引きを捕まえて公安に引き渡してもすぐに出てきてまた万引きを繰り返す。こんな事じゃ我々商店は商売が成り立たないよ。だから自分たちで盗まれた物を取り返し、今後の万引き防止の為に彼女を尋問ただけだよ、大体中国の伝統で泥棒は叩かれるのは当たり前だろ、彼女が妊娠してたとは誰も知らなかったのさ、妊婦のくせに万引きするなんて自分が悪いのさ」とインタビューで答えています。自衛が必要なほど役に立たない公安、過度の自衛で人を簡単に死に追いやる社会、どちらにしてもねじれた社会構造になっています。


現在この事件公判中で、被害を受けた羅水秀さん側は81万元の被害要求を加害者側に請求しています。羅水秀さんが受けた損害からすると安いぐらいだと思うのですが、今後この事件をきっかけに万引き団が大手を振って万引きに勤しむ事も予想されます。そして公安の対応が悪ければ悪いほど、まともに商売をしている人たちが苦しむ社会になってしまうのです。