個人所得税管理強化 | 小姐的不夜城故事

個人所得税管理強化


9月20日、中国国家税務総局より、10月1日より実施する個人所得税に対する捕捉強化の案が示されました。去年の個人所得税は中国の税収の6.8%を占め1780億元有りましたが、その内53.5%は月収1500元前後の普通のサラリーマンたちで、高額所得者の80%は個人所得税をまともに払っていない現状が浮き彫りになってきており、個人所得税務の改革は抜き差しなら無い所まで来ていました。


そこで政府は今年の初めから660万人の高額所得者(月収5000元以上と思われる人たち)に対して税収強化を進め、現在50%以上の人たちが個人所得を申告するようにまでなり、税収の公平な徴収に勤めてきました。ただしこれも給与所得を得ているサラリーマン(特に外資系で働く人たち)を主な対象としており、個人事業者には抜け道だらけであまり効果が有るとは言えず、そこで今回は工商局、建設局、銀行、税関、公安、外貨管理局などが一体となって、不正に脱税行為をしている者からきっちり税金を巻き上げる算段です。


しかし中国はすでに消費税で17%も取っていて、更に個人の所得税まで強化して吸い上げる様ですが、余計に不公平感が生まれないか心配です。17%の消費税はインボイスに対して発生する税金なので企業にとっては事業所得税などよりもっと負担の重い税金です。更に事業所得税もかかるので、中国企業の実質的な税負担はかなりの金額になっていると思います。ですから企業の事業者は個人の所得を出来るだけ少なく申告し会社経費で個人の所得を補う方法を取ってきました。


しかし10月からは家、車、旅行など個人で消費したと見なされる物は、当然個人所得として税金がかかって来るでしょうし、それに対抗する為、10月からは、まず地下ルートでの海外への資本移動が大量に発生することでしょう。でもそれより心配なのは税務局の汚職が今でも目覆うぐらい酷いのに、それが更に加速する心配が有ります。


地方の税務局の局長ともなれば、今でも年1,2回の海外旅行は当たり前、食事や小姐の接待、金品の付け届け等、悪代官の典型のような存在です。表向きは税の公平感を匂わす今回の処置ですが、税務局員にとっては笑いの止まらない話なのです。


今回の方針、一歩間違えば暗黒大陸になる事を十分理解して運用して欲しいと思います。